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Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(23)
第43章 パーティーにて(4)新鮮な話題(1/3)

ジョンストン空将の妻ヘレンは夫や夫の同僚たちに幻滅していた。抜群の反射神経を持ち状況の分析力にも優れた彼の夫は優秀なパイロットであり、同時に同僚たちから頭一つ抜けた如才のない秀才であった。決してハンサムと言えるほどの容貌ではなかったが、彼女自身も快活で陽気な彼に好意を抱き二人は周りから祝福されて結婚した。
ジョンストンは第二次大戦の南太平洋でゼロ戦を相手に勇敢に戦い多くの勲章を授与された。多すぎて軍服に付けられないほどの勲章を飾ってパーティーに出ると、彼はその一つ一つのいわれを自慢げに説明した。彼に寄り添うヘレンもそんな夫に尊敬のまなざしをそそぎながら誇らしい気持ちであった。しかしそのようなことが何度も繰り返されるとさすがのヘレンも最近ではうんざりであった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)