III. 過去2年間の四半期業績推移
ここでは2023年7-9月期以降2025年4-6月期までの8四半期の業績推移を比較する。
(利益トップの座を譲らないExxonMobil!)
1.純利益の推移
2023年7-9月期に最も利益が多かったのはExxonMobilの91億ドルであり、続いてShell 70億ドル、TotalEnergies 67億ドル、Chevron 65億ドルであり、bpはもっとも少ない49億ドルの利益であった。
その後今期までの8四半期の利益の推移を見ると、ExxonMobilは他社を大きく引き離してトップを独走しており、一方、bpは逆に他社に大きな格差をつけられたまま最も低い利益水準にとどまっている。Shell、TotalEnergies、Chevronの3社はExxonMobilとbpに挟まれる形で各期ごとに利益がかなり大きく変動しているが、中でもShellは期毎の利益変動に大きな波があるのが特徴である。また5社に共通しているのは昨年上半期以降は利益が逓減する傾向にある。
各社の利益の推移は以下のとおりである。(単位:億ドル)
2023年 2024年 2025年
7-9月 10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月 1-3月 4-6月
ExxonMobil 91→ 76→ 82→ 92→ 86→ 76→ 77→ 71
Shell 70→ 5→ 74→ 35→ 43→ 9→ 48→ 36
bp 49→ 4→ 23→ ▲1→ 2→ ▲20→ 7→ 16
TotalEnergies 67→ 51→ 57→ 38→ 23→ 40→ 39→ 27
Chevron 65→ 23→ 55→ 44→ 45→ 32→ 35→ 25
ExxonMobilは毎期70億ドル以上、時には90億ドル超の利益を計上し、他社の2倍前後である。Shellの利益は好調時には70億ドル強に達するが(2023年7‐9月期及び2024年1‐3月期)、一方で一桁台の時もあり(2023年10-12月期及び2024年10-12月期)変動幅が大きい。これに対しTotalEnergies及びChevronは毎期安定した利益を確保している。bpは2024年4-6月及び同年10-12月期に欠損になるなど利益水準が低く不安定である。

(続く)
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