中東と石油のニュース

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチし、その影響を探ります。

中東諸国の動向

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(198完)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(10) 198 見果てぬ平和(3/3) 現状で見る限りアラブ世界では学生たち民主主義勢力の成果は部族勢力或いは宗教勢力が引き継いでいる。民主主義勢力は「成果を横取りされた」と嘆くが、それが現代アラブ・イス…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(197)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(9) 197 見果てぬ平和(2/3) 「国破れて山河在り」というのは東洋思想である。しかしイスラームの一神教の世界ではそのような自然観を持つことも難しいようである。アラブの年配者たちの間では「これもすべて…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(196)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(8) 196 見果てぬ平和(1/3) 皮肉にも「アラブの春」が中東でそれまでにない大量の難民を生んだ。故郷で名も無くつつましく暮らしていた彼らはやむを得ず国境を越えて逃げ延びた。そもそも彼ら庶民にとって「…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(195)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(7) 195 増え続ける中東の難民(3/3) 彼らは着の身着のままで地中海を渡ろうともがく貧しいアフリカ難民とは異なり、難民ではあっても無一物ではなかった。難民の定義づけではアフリカ難民は経済難民であり、…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(193)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(5) 193 増え続ける中東の難民(1/3) 国家間の戦争或いは国内で内戦が勃発すると何の罪もない市民に多くの犠牲者が出る。それは戦火に巻き込まれる死者や負傷者という形だけではなく、戦火に追われて住み慣れ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(192)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(4) 192 東と東の遭遇(4/4) パレスチナからヨルダンさらに湾岸諸国へと東に移動したシャティーラは今度は一足飛びに西半球の米国に移住したのであった。彼はそこで豊かとは言えないが、平和な生活を手に入れ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(191)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(3) 191 東と東の遭遇(3/4) 彼らは温厚で誠実な日本の企業で働くことができたことに素直に感謝していた。そして第二次世界大戦に敗れ焦土と化したその国が奇跡的な復興を遂げ、今では自分たちの身の回りに自…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(190)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(2) 190 東と東の遭遇(2/4) クウェイトとサウジアラビアの国境地帯で操業していた日本の石油開発会社で働く3人のアラブ人たちも決断を迫られた。ヨルダン人のカティーブはパレスチナ人のザハラを誘って、実…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(189)

(英語版) (アラビア語版) (目次) エピローグ(1) 189 東と東の遭遇(1/4) イスラエルとの戦争でヨルダン川西岸のパレスチナの地を追われ東隣のヨルダンに逃げ延びたパレスチナ難民たちは、生活のため1960年代前後に石油ブームに沸くクウェイト、サウ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(188)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(21) 188 シリア情勢:敵の敵は味方か敵か?(5/5) しかし最近になって諸外国の共通目標がIS(イスラム国)の壊滅に絞られた。これに対して劣勢に立ったIS(イスラム国)が欧米…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(187)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(20) 187 シリア情勢:敵の敵は味方か敵か?(4/5) イスラーム過激派勢力であるヌスラ戦線(現ファトフ軍)とイスラム国(IS)は宗教意識が強く自己犠牲をいとわないため戦闘能力…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(186)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(19) 186 シリア情勢:敵の敵は味方か敵か?(3/5) これら多種多様な勢力に対して外国勢も肩入れの仕方が猫の目のように変わる。米国は反政府勢力の中のリベラル民主勢力であ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(184)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(17) 184 シリア情勢:敵の敵は味方か敵か?(1/5) シリア内戦は基本的にはアサド政府とその退陣を求める反政府組織の軍事闘争である。国際的な力学関係でみるとアサド政府を…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(183)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(16) 183 混迷深まる中東(3/3) 中東戦争まではアラブ・イスラーム対イスラエルの2項対立であったものが、イラン・イラク戦争時代には3項或いは4項対立の様相を呈した。敵…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(182)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(15) 182 混迷深まる中東(2/3) その結果イラン・イラク戦争はアラブ人対ペルシャ人(イラン)という因縁の民族的対立に加えシーア派対スンニ派という宗派対立の構図が炙り出さ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(181)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(14) 181 混迷深まる中東(1/3) 第二次大戦後の中東はアラブとイスラエルが対立する世界であった。そこでは敵と味方の区別が明らかであり、民族も文化も異なるが宗教(イスラ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(180)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(13) 180 短かった春の宴(5/5) エジプト以外の中東各国の「アラブの春」はさらに短かく、むしろその後混乱と無秩序のカオスに陥った例の方が多いくらいである。リビアではカ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(179)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(12) 179 短かった春の宴(4/5) しかしリベラル運動の理論家はムバラク政権時代は西欧に亡命し、そこでの自由で安全な生活に慣れ切っていた。彼らは頭でっかちのインテリであ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(178)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(11) 178 短かった春の宴(3/5) 世論に抗しきれなくなったムバラクは2月に大統領を辞任し、その後不正な財産蓄積の容疑で逮捕され刑務所に収監された。その間もデモは続き国…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(177)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(10) 177 短かった春の宴(2/5) しかし「アラブの春」を現状なりに評価することも意味のないことではなかろう。筆者の持論である中東の三つのアイデンティティ、即ち「血(民…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(176)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(9) 176 短かった春の宴(1/5) 「アラブの春」を欧米先進国(特にメディア、インテリ層)は中東・北アフリカ諸国における独裁者の圧政に対する住民の抵抗運動、政治の民主化運…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(175)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(8) 175 「アラブの春」の訪れ(4/4) チュニジアの政変は同国の国花に因んでジャスミン革命と名付けられたが、革命の火は瞬く間にエジプト、リビア、スーダンなど北アフリカ諸…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(174)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(7) 174 「アラブの春」の訪れ(3/4) そのような庶民の絶望感がチュニジアで2010年12月、ある事件を引き起こした。生活のため已む無く路上で野菜を売っていた失業中の一…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(173)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(6) 173 「アラブの春」の訪れ(2/4) 勿論そこには独裁者による巧妙な世論操作もあるが、大統領の多選を禁じた憲法は圧倒的多数で改正され彼は終身大統領となる。こうなれば国…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(172)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(5) 172 「アラブの春」の訪れ(1/4) イラクのフセイン政権崩壊後もアラブ諸国の多くは強権的な独裁国家或いは世襲の君主制国家のままであり、西欧型の民主主義国家と言えば北…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(171)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(4) 171 もう沢山!長期独裁に倦んだ大衆(4/4) このような長期支配体制の国では1970~1980年代生まれの若者たちは物心ついた時の国家元首が成人になってもなおそのま…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(169)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(2) 169 もう沢山!長期独裁に倦んだ大衆(2/4) MENAで最初に独裁者の地位を得たのはリビアのカダフィであった。カダフィのことは第4章でもふれたが、彼は1969年にク…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(168)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第7章:「アラブの春」―はかない夢のひと時(1) 168 もう沢山!長期独裁に倦んだ大衆(1/4) 中東と北アフリカはMENAと総称されるが、このMENA地域が政変の少ない地域であったと言えば奇妙に聞こえるかもしれない。201…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(167)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第6章:現代イスラームテロの系譜(22) 167 敵と味方を峻別する一神教(6/6) 米国は帝国主義時代の英国、フランスに次いで中東で大きな問題を起こした。これが間違っていたかどうかは今後の歴史が決めることである。キ…

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(166)

(英語版) (アラビア語版) (目次) 第6章:現代イスラームテロの系譜(21) 166 敵と味方を峻別する一神教(5/6) ところがイラク戦争は全く別の次元で始まり、別の次元で終わった。米国がイラク戦争の開戦理由とした大量破壊兵器は見つからず、またフセイ…