(英語版)
(アラビア語版)
Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(6)
第37章 退役将軍「シャイ・ロック」(2)第一次中東戦争(ナクバ)(2/3)

窮した英国はパレスチナを委任統治領としてユダヤとアラブ双方を抑え込もうとした。当時インド及びマレー半島など東南アジアに広大な植民地を持っていた英国にとってパレスチナ地方はスエズ運河とともにアジアの植民地運営の中継基地として必要だったのである。
『シャイ・ロック』の父親達はユダヤ人の祖国イスラエル建国のため、ある時はアラブ人と戦い、またある時は植民地政府の英国と戦った。パレスチナが英国の委任統治領であって正式な国家ではない以上、そこでの戦いは反政府運動ではなく秩序なき戦いであった。強いものが勝つ。ユダヤ人にとって負ければ2千年来の祖国再興の夢は潰え去る。彼らは手段を選ばず時にはテロ活動も辞さなかった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)