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Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(51)
第52章 長女アナット(4)ドクター・ジルゴ(3/3)

『シャイ・ロック』はふと彼に会ってみようかと思った。実は少し前、留学帰りの医学博士があるとんでもないものを発見したらしい、と言う話をかつての部下から聞いていたのである。その『とんでもないもの』がどのようなものかは部下自身も良く知らなかったようで、雲をつかむような話であった。しかしその話はどこかで彼の第六感をくすぐるものがあった。これまで数々の戦闘をくぐり抜けてきた『シャイ・ロック』には動物的カンとでも言うべきものが備わっており、彼は自分のそれに全幅の信頼を置いているのである。
「よし、一度会ってみよう。段取りはお前に任せるよ。」
父の予定表を確かめるとアナットは早速『ドクター・ジルゴ』に返事を打ち始めた。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)