中東と石油のニュース

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチし、その影響を探ります。

消費量でインドに追い抜かれた日本:BPエネルギー統計2016年版解説シリーズ:石油篇15

 (注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます

 

5.世界の石油精製能力(続き)

(拡大続く米中露の上位3か国、縮む日本とドイツ!)

(2)  国別石油精製能力

(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/1-5-T01.pdf 参照)

 世界で最も高い精製能力を有する国は米国で、2015年は1,832万B/D、世界全体の19%の設備を所有している。第二位は中国の1,426万B/D(シェア15%)であり、両国だけで世界の3分の1の精製能力がある。精製能力1千万B/D以上はこの2カ国だけであり、第3位のロシアは643万B/Dである。

 

 2011年に日本を追い抜いたインドの2015年の精製能力は431万B/Dで対前年比0.3%減であるが、日本は前年より0.8%減の372万B/Dとなり、インドとの差は広がっている。石油消費量でも日本の415万B/Dに対してインドは416万B/Dでいずれも日本を上回っている。日本では経済産業省の主導で精製設備の集約が推し進められる一方、インドは慢性的な精製設備不足に悩まされており(次項「精製能力の推移」及び主要国の「製油所稼働率」参照)、両国の精製能力の格差は今後ますます広がるものと思われる。

 

 日本に次いで高い精製能力を有するのは韓国(311万B/D)で、さらに第7位以下はサウジアラビア(290万B/D)、ブラジル(228万B/D)、ドイツ(203万B/D)である。3か国のうち精製能力が前年を下回ったのはドイツだけであり、日本とドイツで精製設備の集約が進んでいることをうかがわせる。サウジアラビア原油生産国であるが国内に数ヶ所の輸出専用製油所が稼働しており、石油製品の輸出により付加価値の増大を追求しているが、それと共に国内の石油製品の需要が急増しているため製油所の新設が相次いでいる。

 

 精製能力を前年と比較すると米国の能力増加率は+2.4%であり上位10カ国のなかでは最も高い。原油価格の下落により精製コストの原料費が大幅に低下、石油産業では上流部門(原油販売)よりも下流部門(石油製品販売)が儲かる体質となっており、特に米国の石油業界では付加価値の高い石油精製への方向転換が進んでいるようである。

 

(続く)

 

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