(注)本稿は「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」の下記URLで一括ご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0187BpOil2011.pdf
3.世界の石油消費量(上)
(1) 地域別消費量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-2-96aOilConsumByRegion2010.pdf参照)
2010年の世界の年間石油消費量は日量8,738万バレル(以下B/D)であった。地域別でみるとアジア大洋州が2,724万B/Dと最も多く全体の31%を占め、次に多いのが北米の2,342万B/D(27%)であった。2007年以降はアジア大洋州が北米を上回る最大の消費地域となっており、この傾向は今後定着するものと思われる。これら二つの地域に続くのが欧州・ユーラシア1,951万B/D(22%)であり、これら3地域で世界の石油の80%を消費している。残りの中東(9%)、中南米(7%)及びアフリカ(4%)の3地域を合計しても20%に過ぎず、石油の消費は先進地域(北米、欧州・ユーラシア)及び新興工業国が多いアジア・大洋州に偏っている。
各地域の消費量と生産量(前回参照)を比較すると、生産量では世界全体の31%を占めている中東が消費量ではわずか9%であり、アフリカも生産量シェア12%に対して消費量シェアは4%に過ぎない。これに対してアジア大洋州は生産量シェア10%に対して消費量シェアは31%、また北米のそれは17%、27%と大幅な需要超過となっている。欧州・ユーラシアは生産量、消費量共22%で均衡している。このことからマクロ的に見て、世界の石油は中東及びアフリカ地域からアジア・大洋州及び北米地域に流れていると言えよう。
(2) 国別消費量
国別に見ると世界最大の石油消費国は米国で、2010年の消費量は1,915万B/D、世界全体の21%を占めている。第二位の中国(906万B/D、シェア11%)を大きく引き離す石油消費大国である。三位以下は日本(445万B/D)、インド(332万B/D)、ロシア(320万B/D)、サウジアラビア(281万B/D)、ブラジル(260万B/D)と続いている。石油は米、日の先進2カ国及びBRICsと呼ばれる中国、インド、ロシア、ブラジルの新興4カ国に大産油国でもあるサウジアラビアを加えた7カ国で世界の半分を消費しているのである(表「国別石油消費量ベスト20(2010年)」http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-2-96bOilConsumpByCountry2010.pdf 参照)。
(3) 石油消費の地域別構成の推移
1965年から2010年までの石油の消費量を地域別にみると(図「地域別石油消費量の推移(1965~2010年)」http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-2-96cOilConsum1965-2010.pdf 参照)、1965年には北米と欧州・ユーラシアの2地域が世界の石油消費の8割を占めており、その他の地域の消費量は全て合わせても500万B/D以下に過ぎなかった。しかしその後、アジア・大洋州の消費の伸びが著しく、1997年には欧州・ユーラシア地域を追い抜き、さらに2007年には北米をも上回り世界最大の石油消費地域となっている。
欧州・ユーラシア地域は1965年に1,150万B/Dであった消費量が急激に増加し、オイルショック直後の1980年には2,400万B/Dまで増加している。しかしその後消費量は減少傾向をたどり1990年代後半以降は2,000万B/D前後の横ばい状態を続けている。北米地域については1980年代前半に需要が一時落ち込んだが、80年代後半以降再び増勢を続け2005年には2,500万B/Dに達した。その後、米国の消費量は2008年、2009年と2年連続して減少しており、2010年に多少回復したものの2,300万B/D台で推移している。
その他の中東、中南米、アフリカ地域は世界に占める割合は小さいものの、消費量は着実に増加している。特に中東地域は1965年の95万B/Dが2010年には782万B/Dに膨張している。中東には石油輸出国が多いが各国の国内石油消費の伸びが生産のそれを上回れば、その分輸出余力が減少することになる。この事実は将来の石油需給問題に影を投げかけていると言えよう(第5項参照)。
(続く)
以上
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