中東と石油のニュース

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチし、その影響を探ります。

黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (7)

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0548OilMajor2021-3rdQtr.pdf

 

5.キャッシュフロー (続き)

(2)2019年10―12月期以降今期までのキャッシュフローの推移

(100億ドルを超えたShellとExxonMobilの営業C/F!)

(2-1)営業C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-72.pdf参照)

 2019年10―12月期の5社の営業C/FはShellが103億ドルで最も多く、次いでbpが76億ドル、TotalEnergies及びExxonMobilがそれぞれ66億ドル及び64億ドルであり、Chevronは最も少ない56億ドルであった。2020年に入ると各社の営業C/Fは激減し、同年1-3月期にbp及びTotalEnergiesは10億ドル強、続く4-6月期にはChevron, ExxonMobilがほぼゼロ、Shellが26億ドルと5社全ての営業C/Fが大きく落ち込んだ。

 同年後半から復調の兆しが見られ、2021年に入り、石油需要が回復、油価も上昇したことにより営業C/Fの増加のテンポが早まり、7-9月期にはShellとExxonMobilが100億ドルを超えChevronも過去2年間で最高を記録している。

 

(昨年後半以降毎期大きく変動した投資C/F)

(2-2)投資C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-73.pdf参照)

 2019年10-12月期のExxonMobilを除く4社の投資C/Fが最も多かったのはShellの▲49億ドルであり、以下はTotalEnergies(▲39億ドル)、bp(▲32億ドル)、Chevron(▲27億ドル)であった。

2020年の1-3月期から7-9月期までの3四半期は各社とも大きな変化は無かったが、同年10-12月期はShellとTotalEnergiesが大きく増加した(Shell▲28億ドル→▲54億ドル、TotalEnergies▲19億ドル→▲45億ドル)。一方、bp及びChevronは大きく減少しており、特にbpは投資額が純減(▲35億ドル→+6億ドル)となった。同社の投資C/Fは2021年1-3月期も純減(+4億ドル)であった。今期(7-9月期)は4社の投資C/Fは前期(4-6月期)と大きな変動はなく、Shellの▲38億ドルを筆頭に、bp▲26億ドル、TotalEnergies▲25億ドル、Chevron▲13億ドルとなっている。

 

(運転資金調達に走った2020年!)

(2-3)財務C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-74.pdf参照)

(ExxonMobilを除く)4社の2019年10-12月期の財務C/F収支はChevronが▲93億ドルと際立って多い。その他3社はTotalEnergies▲36億ドル、Shell▲31億ドル、bp▲17億ドルであった。2020年に入ると1-3月期にChevronが+14億ドルと新規借入額が返済額を上回り、この傾向は4-6月期にさらに顕著となり、同期の財務C/Fはbp+147億ドル、TotalEnergies+75億ドル、Shell+57億ドルといずれも大幅なプラスであった。2020年に入りコロナ禍が世界に蔓延、エネルギー需要が急減した結果、各社が運転資金の不足を補うため巨額の借入を行った結果である。

各社は2021年に入り先行きの見通しが多少とも明るくなったと判断したようであり、投資C/Fの大きな変動は治まりつつあるようである。

 

(続く)

 

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