(英語版)
(アラビア語版)
Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(5)
第37章 退役将軍「シャイ・ロック」(2)第一次中東戦争(ナクバ)(1/3)

しかし問題はエルサレムとその一帯の土地であった。ユダヤ人にとってそこは神に約束された土地であり、2千年前の「ディアスポラ(大離散)」で心ならずも追われた祖国の地である。英国政府は戦争協力と引き換えに祖国再建を約束したのだ。一方アラブ人もエルサレム地方は有史以来連綿として自分達が住み続けた土地であり、オスマントルコから独立して民族国家を創ることが夢であった。英国に協力して第一次大戦の勝利に貢献した以上、アラブ民族によるパレスチナ国家を樹立することは当然の権利と考えた。
英国はユダヤ人とアラブ人に二枚舌を使ったのである。第一次世界大戦終了後の結果は明白であった。ユダヤ人とアラブ人がともに独立運動を展開し、エルサレム一帯はのっぴきならない状態になった。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)