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現地記事転載:「ユーロファイター売却契約がトルコ、ヨーロッパ、NATOに意味するもの」(上)

(原題) What does multibillion Eurofighter deal mean for Türkiye, Europe, NATO

https://www.dailysabah.com/business/defense/what-does-multibillion-eurofighter-deal-mean-for-turkiye-europe-nato

2025/10/28 Daily Sabah

トルコと英国は、ユーロファイター・タイフーン戦闘機に関する数十億ドル規模の契約に署名した。この契約はNATO加盟国間の連携を深め、トルコの防空体制を強化する。トルコは、今年中東全域で攻撃を開始したイスラエルなど地域のライバル国に対抗するため、最新鋭の戦闘機を活用しようとしている。

 

一方、NATO加盟国第2位の軍事力と武装ドローンの主要輸出国であるトルコに対して、東部戦線の強化と、ウクライナ戦後の安定化部隊の将来的な支援を期待する声が増えている。スターマー英首相はこの契約を「画期的」と呼び、「英国の労働者、防衛産業、そしてNATOの安全保障にとっての勝利」と評した。

 

契約の内容

この契約は80億ポンド(107億ドル)規模で、トルコが英国から購入するユーロファイター20機が対象となる。英国政府は、タイフーン機の初号機を2030年に納入すると発表。スターマー国防相は、2023年に協議が開始されたこの取引は、将来的にさらなる戦闘機購入の選択肢を提供するものだと述べた。エルドアン大統領は、その後、共同防衛産業プロジェクトが続く可能性があると述べた。

 

トルコと英国は7月にユーロファイター機に関する予備契約を締結したが、これは、ドイツが長年トルコへのユーロファイター機売却に反対してきた姿勢を撤回したと報じられたことを受けて締結されたものである。

 

トルコのギュレル国防相は、英国から納入される新型タイフーン20機に加え、カタールから中古機12機、オマーンからさらに12機を購入する計画であり、カタールからの戦闘機は来年初めに到着する可能性があると述べた。

 

トルコのユーロファイター導入が意味するもの

NATO加盟国で2番目に大きな軍隊を擁するトルコだが、過去にはしばしば武器禁輸措置に直面した。そのため、過去20年間で国内の軍事力を大幅に強化し、外国への依存度を抑制してきた。現在、トルコは自社製のドローン、ミサイル、艦艇を含む、幅広い種類の車両や兵器を国内で生産している。また、独自の第5世代ステルス戦闘機も開発中である。KAANと名付けられたこのステルス戦闘機は、空軍司令部の老朽化したF-16戦闘機群の後継機として開発が進められており、F-16戦闘機群は2030年代から段階的に退役する予定である。

                                                                                                                                 

トルコはまた、米国主導のF-35戦闘機プログラムへの復帰も模索している。米国はトルコのロシア製S-400ミサイル防衛システムの購入を理由に、「敵対者への対抗措置法(CAATSA)」に基づく制裁を課し、2019年に同虚空をF-35戦闘機プログラムから除外している。

 

昨年、トルコは米国とF-16戦闘機40機の購入で70億ドルの契約を締結した。しかし、価格への懸念とF-35購入の意欲により、交渉は難航していると報じられており、エルドアン大統領は、ホワイトハウスで行われたトランプ米大統領との最近の会談で、F-35売却問題を提起している。

 

トルコは、CAATSA制裁を克服し、S-400問題とF-35購入の最終的な解決への道を開くため、米国大統領による「免除」を含む計画の提案を検討していると報じられている。トルコは、両首脳の良好な個人的関係と、トランプ大統領のガザ停戦合意成立におけるエルドアン大統領の支援を活用し、最終的に合意に至ろうとしている。

 

トルコ当局は、KAANの就役に先立ち、暫定的な艦隊として、ユーロファイター40機、米国製F-16戦闘機40機、F-35戦闘機40機の合計120機の戦闘機の取得を希望していると述べた。

 

イスラエルによるトルコの隣国であるイランとシリア、そしてレバノンカタールへの空爆は、過去1年間にわたりトルコを不安に陥れ、防衛力の強化を迫ってきた。エルドアン大統領は、イスラエルによるガザ地区をはじめとする中東地域への執拗な攻撃を厳しく批判している。

 

スターマー英首相は、ガザ停戦の促進におけるトルコの役割を称賛し、英国とトルコは「地域をより良い方向に導くため、できるだけ早く」合意を実施するため協力していると述べた。エルドアン大統領は、英国がパレスチナ国家を承認した最近の決定を称賛し、二国家解決に向けた大胆な一歩だと述べた。

 

トルコにとって象徴的な存在ではあるもののデリケートな脅威であるギリシャは、今後3年間で最新鋭のF-35戦闘機を受領する予定である。過去数年間、NATO加盟国であるトルコとギリシャの戦闘機はエーゲ海上空での哨戒飛行中にしばしばニアミスし、時折ドッグファイトも発生していた。ギリシャは以前、トルコの軍事力増強について懸念を表明していた。

 

戦闘機の編成替えは、トルコ国内の「スティール・ドーム」プロジェクトや長距離ミサイルの射程範囲拡大を含む、多層防空体制を強化するための広範な取り組みの一環である。

 

(続く)