(原題) One of the world's most important energy analysts shares his 2026 oil forecast
https://www.khaleejtimes.com/business/energy/dr-daniel-yergin-2026-oil-price-forecast
2025/12/1 Khaleej Times

(編者注)以下は、ドバイの日刊紙Khaleej Timesが、エネルギー、国際政治、経済に関する世界有数の権威であるダニエル・ヤーギン博士に行ったインタビューの抜粋であり、同氏から原油価格の方向性、エネルギー動向、そして2026年に注目すべき点について見解をただしたものである。
ヤーギン博士は、S&Pグローバルの副会長であり、S&Pグローバルのエネルギー会議CERAWeekの議長を務めており、ピュリッツァー賞の受賞作家でもある。彼の最新著書は『The New Map: Energy Climate and the Clash of Nations』。
(問) 関係者たちが、来年の石油市場は最大で日量数百万バレルの供給過剰に陥る可能性があると予想していますが、その程度については、意見が一致していないようです。2026年までの石油価格はどうなるとお考えですか?また、どのような要因がそれに影響を与えるでしょうか?
ヤーギン博士:石油市場の供給過剰の程度については活発な議論が行われていますが、現時点では供給が需要を上回っていることは確かであり、調整過程にあると考えています。経済のファンダメンタルズは常に重要ですが、政治や情勢も重要です。重要な疑問の一つは、ロシア産石油は今後どうなるのかということです。市場でどの程度制限されるのか、あるいはされないのか。
石油市場にとってもう一つ重要な疑問は、中国の需要がどうなっているのかということです。需要は依然として増加しているのか、それとも横ばいになっているのか。2026年には、この点についてより明確な答えが得られると思います。中国原油に関して難しい点の一つは、需要と戦略備蓄への投入をどのように切り離すかという点ですが、この点は明確ではありません。これが中国の原油需要をめぐる議論の理由の一つです。
「ポスト・グローバリゼーションの世界」にいると言うのは行き過ぎかもしれませんが、過去35年間私たちが経験してきたグローバリゼーションは確かに終わりました。かつては世界的な石油市場がありました。しかし、ロシアのウクライナ侵攻によってそれは終わり、今では分断された石油市場となっています。そして今、制裁、関税、保護主義が強化され、世界貿易には不確実性が蔓延しています。このような世界では、経済以外の要因が影響するため、予測能力はより困難になっています。
今のところ、諸条件はありますが、ブレント原油は2026年に平均60ドル(1バレルあたり)程度、2027年には65ドル程度に戻ると予想しています。
(問) 石油市場にとって最大のリスクは何ですか?また、今後の見通しは?
ヤーギン博士:リスクは2つに分けられます。1つは経済的なリスクで、基本的には世界の経済成長の水準です。現在、米国経済の力強さは他の経済圏を上回っています。2つ目のリスクは、間違いなく中国の需要です。そしてもちろん、地政学的な出来事、政治的な出来事、紛争といったものも挙げられますが、これらは予測不可能なものであり、常に予期せぬ出来事として起こります。米中間の緊張の高まりは、エネルギー市場を含む世界経済全体に影響を与える要因だと考えています。
2026年には、もう一つ注目すべき点があります。それは、米国の原油生産がどうなるかということです。米国の原油生産は非常に高い水準にあることは明らかですが、シェールオイル生産は減少傾向にあるのか?2026年には、この点についてより明確な見通しが得られると思います。
(続く)