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Part II:「エスニック・クレンザー(民族浄化剤)」(70)
第59章 エスニック・クレンザー(民族浄化剤)(2) 『ドクター・ジルゴ』、『シャイ・ロック』に面会す(1/3)

『ドクター・ジルゴ』の想定では、新発見のウィルスはパレスチナ人にもアシュケナジなどのユダヤ民族にも感染し発熱するが、熱は数日で収まり後遺症は残らないはずであった。また致死率はほぼゼロであり危険性は高くないと予測できた。しかし感染後に診断すれば、パレスチナ人女性だけには致命的な影響力が残るはずであった。それは彼女たちの生殖能力が著しく減退するというものである。
『ドクター・ジルゴ』は自分の仮説を証明するために人体実験を行う必要があった。ただし政府機関が彼の要求をまともに取り扱うはずがない。それを突破するためには、イスラエル政府のトップに影響力がある有力者の後押しが不可欠である。もしその有力者がアシュケナジの血統の正統性を信じ、一方でパレスチナ人の増加を懸念している人物であれば、きっと話に乗ってくれるであろうと彼は考えた。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)